我々9+2人は、最後の詰めをしているところです。
当日はトークのほか、劇と音楽、そして9人が撮り貯めた写真を使ったアートセッションもあります。さまざまな試みを通して、「戦争」を語りついで行くことを考えたいと思います。
今日は朝鮮戦争の章を担当した角南圭祐からのコメントをお送りいたします。
韓国在住のジャーナリスト、角南です。ソウルは今日、最高気温零下4度に冷え込みました。それとは逆に、ウォンに対する円高は最高水準にあります。まさに今、韓国旅行の大チャンス到来です。写真は、「戦争への想像力」の本でも紹介した、平澤(ピョンテク)市テチュ里にある米軍基地「K-6キャンプハンプリー」の中にある野球場2面、そしてその向こうに見えるのは新築された軍人・軍属のためのアパートです。先日、基地の中に初めて入りました。中にはショッピングモール、映画館、プールなど様々な生活施設や娯楽施設が、軍事施設の隣にありました。
この基地は、ソウル以北の米軍基地が2013年までにすべて移転してくることになっており、急ピッチで拡大工事が進められています。写真の奥に見える新築アパートは、移転とともに大勢やってくる米兵たちを受け入れるためのものです。この拡大工事のために、テチュ里とトドゥ里の集落、そして広大な水田が強制収用され、なくなりました。3年前から足しげく通ったテチュ里と田畑は、すでに跡形もなく荒地になっていました。青々とした命を生み出す農地は、赤茶けた荒地となり、そして数年後にはコンクリートで固められた軍事施設や、青々とした米兵のためのゴルフ場に変わる予定です。
このやるせない気持ちをどこにぶつければいいのか。テチュ里の人々の生活を守るために、私は記者として何の力にもなれなかった。分断国家という存在、米軍再編という権力の前に、我々は何を見て何を伝えるべきなのか。トークライブでは今も続く戦争について考えたいと思います。